時計・時々いいはなし(スタッフブログ)

Sinn Technology  (ジン・テクノロジー)

2023.01.29

こんにちは。

Sinn  DEPOT  FUKUOKA  Tenjin スタッフの岩田です。

 

今日は、Sinn Technology の

 

時計を湿気から守る除湿機構  —  Arドライテクノロジー

 

についてご説明いたします。

 

 

機械式時計のムーブメントのパーツは、それぞれが円滑な運動を行えるよう潤滑オイルが使用されています。

時計内部の空気に含まれている湿気や時計内分に拡散した水蒸気によりこの潤滑オイルが劣化すると、機械式時計の精度に悪影響を及ぼします。

ジンのArドライテクノロジーは、ドライカプセルの搭載、EDRパッキンの使用、プロテクトガスの充墳という3つの技術的要素により、ムーブメントはほぼ無水の環境となりこの問題を解決。オイルの劣化プロセスと突然の気温低下によるサファイアクリスタル風防の曇りが防止され、信頼性の高い機能と精度が保証されます。

 

 

・ドライカプセル

 

ジンの開発したドライカプセルは、Arドライテクノロジーの最も重要な要素です。このカプセルには特殊乾燥剤が充墳されており、これはケース内の水蒸気を吸収し時計ケース内の湿気を取り除きます。ドライカプセルに吸収された水分量が増すにつれて、淡いライトブルーからネイビーブルーへと色が変化します。

 

 

 

 

・プロテクトガス

 

潤滑オイルの劣化が引き起こす放電腐食を防ぐため、時計のケース内に希ガスと呼ばれる極めて安定したプロテクトガスを充墳することにより、静電気や不安定ガスを含む空気を可能な限り排除し放電腐食を防ぎます。この充墳後は、空気から拡散した水分のみが上記のドライカプセルによって吸収されることになります。文字盤のArのマークはプロテクトガスを封入したArドライテクノロジー搭載の印です(一部の搭載モデルにはダイヤルにこのマークが入りません)。

 

 

 

・EDRパッキン

 

時計ケースへの大気中の水分の貫通を最小限に抑えるため、ジンではEDR(超拡散削減)パッキンを使用しています。二トリルゴム(NBR)を使用した従来のケース用パッキンでの許容値と比べ水分浸透を最大で25%削減することができます。

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